【SOMEWHERE】静かでとても心地の良い映画
【作品情報】
原題:SOMEWHERE
ジャンル:ドラマ
監督:ソフィア・コッポラ
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ/ポール・ラッサム/フレッド・ルース
脚本:ソフィア・コッポラ
音楽:フェニックス
製作国:アメリカ合衆国
上映時間:98分
製作年度:2010年
【あらすじ】
ロサンゼルスのホテルで派手な暮らしを送るハリウッド・スターのジョニー・マルコ(スティーヴン・ドーフ)だが、別れた妻のもとで暮らしていた11歳の娘クレオ(エル・ファニング)をしばらくの間、預かることになる。騒々しい日常は一転、クレオとの楽しく穏やかな日々が過ぎていく。そして、再び離れ離れになる日が訪れるが……。(シネマトゥデイより)
【感想】
台詞がすごく少なくて、静かな映像が続く映画なんだけど飽きることがないというか逆にどんどん引き込まれた。
めちゃくちゃ面白いっていう映画じゃないんだけど観終わった後に印象に残ると言うか観て良かったなぁって思う映画だった。
映画俳優とかって私たちとは全然違う次元の人というかどんな生活をしているか想像もつかなかったんだけど、この映画では俳優も私たちと変わらない人間なんだなぁって実感させてくれるようなストーリー。
ハリウッドスターのジョニーは周りから観ると成功者。
でも観て行くうちに虚しい生活しているなぁって感じる。
豪華なホテルに泊まって、毎晩のようにパーティーをして、ホテルにポールダンサーを呼んだり、美人と一晩の関係を楽しんだり。
でも一人になった時間とかすごく寂しくて虚しくてなんか切なかったな。
ジョニーはお金はあるけど理解者がいない孤独な人に見えた。
最初は俳優だなんて気がつかないぐらい冴えないおっさんだった。
お金はあるけど仕事をしていないおじさんかと思った。
荒れた生活をしていたジョニーのもとに娘のクレアがやってくる。
最初はアイススケートの練習に連れて行き母親と一緒に住んでいる家へ送りにくだけだったんだけど、クレアがサマーキャンプに行くまでの間ジョニーと一緒に過ごすことになった。
二人の関係がすごく良かった。
自然ですごく仲のいい父娘って感じ。
クレアは11歳なんだけど、大人っぽい。
でも大人びている感じはしなくてちゃんと11歳の子供らしさもあってすごく自然だった。
空っぽだったジョニーがクレアと一緒に過ごすうちに充実した幸せな日々を過ごしている感じがすごく心に響いた。
めちゃくちゃ良かった。
ただ、娘と一緒にいるのに女性をホテルに入れちゃうのはどうかと思う。
一晩限りの関係だと思って相手した女性が地雷だったっていうのもあるけど。
娘と一緒にホテルに帰って寝室を見ると裸の女性がいるとか…トラウマになっちゃう。
楽しい日々は過ぎてクレアがサマーキャンプへ行く日になる。
キャンプへ行く前の日にカジノへ行ったりホテルのプールで泳いだりとても楽しそうだった。
特にプールでのシーンが本当に良かった。
プールに潜ってジェスチャーゲームのような事をしたり、プールサイドで椅子に寝っ転がって日向ぼっこしたりすごく幸せそうだった。
その後クレアがサマーキャンプに行き、ジョニーが一人でプールに入っているシーンは少し寂しい感じがした。
クレアと一緒に過ごしたジョニーは今までの生活を改めて新しい道を歩もうとする。
ジョニーのこの先の人生はちょっと良くなるような終わり方ですごくほっこりする終わり方だった。
本当に台詞が少なくて映像を楽しむ感じ。
車のレーシングコースを車で何往復もしたり、プールサイドで寝転がっていたり、プールにずっと浮いていたりと同じ映像がずっと続く事がたくさんあったけどそれがとても心地良かった。