映画の徒然日記

今まで見た映画の覚え書き

【太陽】太陽のもとで生きるキュリオと夜のもとで生きるノクス

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太陽

【作品情報】

ジャンル:SF

監督:入江悠

原作:前川知大

脚本:入江悠/前川知大

音楽:林祐介

製作国:日本

上映時間:129分

製作年度:2015年

 

【あらすじ】

バイオテロによって人口が激減してしまった21世紀初頭の世界で、ウイルスへの抗体を持った新しい人類が誕生する。優れた知能と若く健康な肉体を誇る彼らは、自分たちをノクスと呼んで社会を支配するように。しかし、紫外線に耐えることができずに夜間しか活動できない弱点があった。一方、ウイルスの感染を免れた旧人類はキュリオと呼ばれ、ノクスから見下される存在になっていた。キュリオの青年・鉄彦(神木隆之介)はノクスに憧れるが、幼なじみの結(門脇麦)はキュリオの復権を願っていた。(シネマトゥデイより)

 

【感想】

こんなSF映画見たことない。

全体的にはSFっぽい感じじゃないけど、近代的な生活と昔のような生活とがはっきりと描かれていてすごくおもしろかった。

面白かったんだけど、同じ人種だけど体質が違うだけで差別をしたり自分の故郷・家族を捨て自分の幸せを追い求めたりとすごく重たいテーマもあって見ごたえ十分の映画だった。

ただ、本当に重くてズーンと気分が沈むようなシーンもあったり見ているのが辛くなる所も結構あった。

キュリオの生活とノクスの生活の差がとても酷い。

キュリオは電気もないような生活で、農作業をして木造の家に住みウイルスの感染におびえる生活。

一方ノクスは近代的で健康。

おいしいものを食べて近代的な医療も受ける事ができウイルスの脅威におびえる事もない生活。

化学が発達しているため紫外線におびえる事もほとんどないし。

差別が酷くて結構悲しくなるところがたくさんあった。

鉄彦と結が住む村は10年前にある事件によってノクスからの経済封鎖が行われて村人たちはさらに貧困にあえいでいた。

事件というのは鉄彦の叔父が駐在員のノクスを殺してしまったというもの。

そのせいで経済封鎖。そして、20歳未満の子どものノクス転換手術の抽選が受けられなくなってしまった。

鉄彦はノクスになって最高の教育を受け豊かな生活をしたいと望み、結は自分と父親を捨ててノクスになったは母親を恨みノクスにはなりたくないと思っていた。

10年ぶりにノクス転換手術の抽選会があり、鉄彦は自分の意思で結は父親が申請書を出してしまう。

そして鉄彦は抽選に落ち結だけが受かってしまう。

鉄彦の絶望・悲しみ・悔しさがすごい伝わってきた。やっぱり神木隆之介はすごいと思う。

鬼気迫る感じというか。

そして結は抽選に当選した事で村の若者にレイプされてしまう。
次々に酷い事が起こっていき映画の中盤は見ているのが段々と辛くなってきた。

村の駐在員でノクスの森繁と鉄彦は夜の間橋で会い除々に友情が芽生えて行く。

冷静で最初は鉄彦の事を相手にしていなかった森繁だけど、近くでノクス用の鉄のマスクを作る鉄彦に心を許していく感じがすごく良かった。

この二人の友情が一番この映画で好き。

そして最低なのが鉄彦の叔父。

10年前に駐在員を殺して行方をくらましていたけど再び村に現れ、森繁を手錠で拘束して再び駐在員殺しをしようとする。

鉄彦が必死に止めたけど大人の力にはかなわず。

太陽の光で死ぬよりか手首を切断して助かる方が良いってことで森繁は鉄彦に自分の手首を斧で切断するように頼む。

ここら辺は森繁が死んでしまうんじゃないかとすごいドキドキした。

叔父は村人に見つかりリンチされ殺されてしまうという何とも後味の悪い結末に。

結は手術を受ける事、その後は実の母とその再婚相手と暮らす事を決めて村を出て行く。

手術は抗体の注射を打ち、ノクスの血液を輸血すると言う方法。

転換手術をしても、何も変わらないと思っていたら考え方とか話し方とか全て変わってしまって村との結とは別人のようになってしまってた。

手術後に父親と再会するんだけど、父親の涙がとても悲しかった。

鉄彦は傷が回復した森繁とポンコツの車を購入し日本全国を旅をすることに。

昼は鉄彦が運転し日が落ちてからは森繁が運転するという車旅。

あんな事件が起きても二人の友情が消えなかった事に少し救われた。

人間関係が複雑でいろいろと考えさせられる映画だった。