映画の徒然日記

今まで見た映画の覚え書き

【ルーム】ルームから脱出して、親子が世界を受け入れるまでのお話

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ルーム

 

【作品情報】

原題:ROOM

ジャンル:ドラマ

監督:レニー・アブラハムソン

製作総指揮:アンドリュー・ロウ/エマ・ドナヒュー/ジェシー・シャピーラ/ジェフ・アークス/デヴィット・グロス/ローズ・ガーネット/テッサ・ロス

原作:エマ・ドナヒュー

脚本:エマ・ドナヒュー

音楽:スティーヴン・レニックス

製作国:アイルランド/カナダ

上映時間:118分

製作年度:2015年

 

【あらすじ】


「ルーム」本予告

 

施錠された狭い部屋に暮らす5歳の男の子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)と、母親ジョイ(ブリー・ラーソン)。彼女はオールド・ニック(ショーン・ブリジャース)によって7年間も監禁されており、そこで生まれ育った息子にとっては、小さな部屋こそが世界の全てだった。ある日ジョイは、オールド・ニックとの言い争いをきっかけに、この密室しか知らないジャックに外の世界を教えるため、そして自身の奪われた人生を取り戻すため、部屋からの脱出を決心する。(シネマトゥデイより)

 

【感想】

実際の事件を基にして作られた映画って言うのと、サスペンスのジャンルにあったからハラハラドキドキ系というかがっつりサスペンス映画かと思っていたら最後には感動するヒューマンドラマに近いストーリーだった。

というかなんでサスペンスのジャンルにしたのか謎。

人の感情って凄く複雑でお互いに家族の事を気遣っているのに、自分の事でいっぱいいっぱいになると傷つけてしまったり、とても考えさせられて、最後には思いやることの大切さとかを学べる映画だったと思う。

映画はジョイとジャックの日常から始まる。

朝起きてご飯を食べて、運動をして、テレビを観て、お風呂に入って、寝る。

一見仲の良い親子の風景だけど、一切部屋に出る事がない事とキッチン、リビング、ベッド、トイレ、お風呂が狭い一部屋にあるということ。

そして夜になるとジャックはクローゼットに入れられ、そこでオールド・ニックが部屋に入ってくるのを待つという事が異常さを際立たせていた。

ジャックの誕生日が近くて、ジョイは誕生日ケーキを焼くけど、部屋の中にあるものだけでは豪華なものは作れないしケーキ用のろうそくもないからジャックは癇癪を起してしまう。

オールド・ニックが部屋に入ると、自分の息子であるジャックを見せてくれとジョイに言うけどもジョイはかたくなにジャックとオールド・ニックを会わせようとしない。

そりゃ会わせたくないよね自分を拉致・監禁して強姦した相手に自分の大切な子どもに会わせるなんてしたくない。

オールド・ニックは心底胸糞悪くて吐き気を催すような男だった。

ジョイを力でねじ伏せて抵抗できないようにし7年間も外に出さずに監禁するような男はまともじゃないけど、映像で見ると本当に気持ち悪い男だった。

ある日、男がきた時に失業していることを知るジョイ。

このままだと、自分たちの命が危ないと感じたジョイは“部屋”から脱出することを考える。

最初に始めたのがジャックにテレビの中の人は実際にいる人たちだと教えて、アニメは描いたもので実在しない人たちの事などを教え始める。

だけど、テレビでしか外の世界を知らないジャックは戸惑い、ジョイの言葉を拒絶してしまう。

けど、次第にジョイの言葉に耳を傾けるようになり外の世界について興味を示すように。

そして、ジョイはジャックが病気になったと偽装してジャックを病院へ連れて行くようにオールド・ニックに頼むが強力な薬を買ってくるから部屋で待っていろと言われ鍵を閉められてしまう。

そのためジョイはジャックを死んだ事にして絨毯でくるみ外にジャックを出す作戦を考える。

ジャックの姿は絶対に見るなと念を押して、ジャックを外に出す事に成功する。

ジャックは絨毯にくるまれたままトラックの荷台に乗せられ、絨毯の中から脱出してトラックが減速したタイミングで荷台から降りる事ができた。

ジャックが脱走した事に気がついたオールド・ニックだけど、すんでのところで一般人に見つかりジャックは警察に保護された。

ジャックの証言により、ジョイが閉じ込められている場所も分かり二人はすぐに再会することができた。

脱出までを観るとサスペンス要素が強かったかもしれない。

けどここからジャックとジョイが世界に出て7年のブランクと心の傷を抱えながら世間になじもうとする。

もがく二人と支えようとする家族とのドラマがすごく感動した。

警察に保護され病院で検査を受けたジョイとジャックは次の日にジョイの両親と対面する。

病院でしばらく過ごした後、ジョイとジャックは母親とその恋人レオが住む家に行きそこで暮らすことに。

ジョイとジャックが無事に戻ってきた事に喜ぶ人達やマスコミ達。

皆ジョイとジャックを思っての行動や無事を喜ぶニュースとかを流すんだけど、ジョイの負担になってしまったり周りの住人とかは善意で行っている事だから非難とかはできないんだけど、ジョイの立場からしてみたらもう少し静かにしていてほしいだろうなぁって思う。

それに、ジョイの父親の態度もひどいと思ってしまう。

父親の気持ちになってみるとやりきれなくて、どうしようもない怒りがあってとても可愛そうだと思うけど。

娘を傷ものにした男の子どもという事でジャックを受け入れられない父親はジャックとの関わりを拒絶してしまう。

でも、ジョイの母親とレオがジャックを受け入れようと努力してくれて良い関係を築こうとしている所がめちゃくちゃ感動した。

ジョイは今までの7年を振り返って、高校時代の友達は普通に過ごして自分だけが酷い経験をすることになった事や世間になじめない事とかで次第に精神を病んでいってしまう。

それに対してジャックは最初は周りの人たちを拒絶してジョイとだけしか話をしなかったけど、段々おばあちゃんやレオに心を開き周りの人たちと積極的に関わるようになっていく。

ジョイが心を病んでしまう理由の一つがある番組のインタビュー。

インタビュアーがまぁ酷い質問ばかりしてくる。それで次第にジョイは病んでしまい、ある日自殺未遂というか事故が起こり病院へ搬送されてしまう。

ジョイは病院で一人になる時間ができて、自分も前に進まなければいけないと決心して過去の自分と決別するため“ルーム”のあった場所へジャックとともに行く事にする。

時々ジャックは“世界”に不安を感じで“ルーム”に戻りたいと言う事もあったけど、“ルーム”を観て自分たちが異常な環境にいた事を悟る。

そして“ルーム”とそこにあった家具たちに別れを告げ“世界”に出て生きて行く事を決心するジャック。

ジョイも今までの自分に別れを告げることができた。

ジャックが心を開いていく過程がすごく感動的だった。

レオと心を通わせるシーンでは思わず顔がにやけてしまい、おばあちゃんとのシーンでは感動して泣きそうになった。

レオはジョイやジャックと血は繋がっていないけど、二人を思いやっている事がすごく伝わってきた。

言葉では何も言わないけど態度で示している感じがすごくかっこ良かった。

そしてジャックとレオの関係も。友達のようだけどもっと信頼関係があり、ジャックを後ろで支えているレオ。すごく良い人だった。

そして、おばあちゃん。

憎い相手の血も半分入ってしまっている孫だけど、愛情を注いで接していてジャックの思う通りに生活させようとするおばあちゃん。

ジャックがおばあちゃんに対して大好きと行ったシーンが一番泣けた。