【セトウツミ】ひたすら会話が繰り広げられる青春映画
【作品情報】
ジャンル:青春
監督:大森立嗣
原作:此元和津也
音楽:平本正宏
製作国:日本
上映時間:75分
製作年度:2016年
【あらすじ】
性格は正反対だがどこかウマの合う高校2年生の内海想(池松壮亮)と瀬戸小吉(菅田将暉)は、放課後にいつも河原で話をしながら暇つぶしをしている。くだらない言葉遊びや、思いを寄せる女子へのメールの内容、時にはシリアスなことも語り合う。そんな二人を見守る同級生の樫村一期(中条あやみ)に瀬戸は憧れているが、樫村は内海に好意を抱いており……。(シネマトゥデイより)
【感想】
こういうゆるーいコメディ大好き。
地味なんだけど、クスっとくるというか爆笑まではいかないけど笑える感じがすごく好き。
上映時間が75分なのと、1話から6話まで映画が区切られていたのも観やすくて良かった。
だらだら長いと飽きちゃうけどちょうど良い長さだったと思う。
ウツミは学校終わってから塾までの間時間をつぶすために河原へ、セトは入部していたサッカー部をクビになり暇なので内海と一緒に河原で暇つぶし。
頭の良いガリベンっぽいウツミと天然バカ系のセトのコンビ。
淡々とくだらない事を話しているだけの二人なんだけど、なんかこんな青春も良いなぁって思えてくる映画だった。
神妙な顔をする二人にはクスッときた。
神妙な顔ってあんな顔で合ってるっけと疑問に思ったり…。
全編6話の短編集みたいな映画なんだけど、それぞれオチがあり…あの間が何とも言えず良い雰囲気を醸し出していた。
1話:セトとウツミ
1話で神妙な顔の話が出てくる。
神妙な顔をしてみ?ってことで神妙な顔をして見るけど上手くいかず。
ってことでセトが神妙な顔になるような話をし始める。
今飼っている猫が余命が残りわずかという事でオカンが高級猫缶を与え始めたけど、与え始めてから2年も生きているため(現在も存命中)両親は離婚騒動になってしまっているという。
神妙な顔しずらい話だった。
川の前に立っている中年男性の元にヤンキーで有名な鳴山が近づいて行き、中年男性は鳴山の父親である事が判明する。
そして、鳴山の両親は離婚しており父親は鳴山が18歳になるまで養育費を払っていた事を知る二人は自然と神妙な顔になっていた。
2話:アメとムチ
セトは同じ学校の樫村さんという女子に好意を抱いており、メールアドレスをゲットしたためメールをすることに。
ウツミに文面を観てもらうんだけど犯行声明文みたいと却下されてしまう。
樫村さんに好きになってもらうためにはどうすればよいかと相談するセトにウツミはアメとムチを使い分けろと助言する。
セト…ウツミに対してアメとムチを完璧に使い分けてた。
いろいろ考えてメールを送るけど樫村さんからは誰ですか?と返信が来て、樫村さんからウツミに知らない人からメールが来て怖いというメールが。
3話:イカクとギタイ
セトが面白い遊びを考えたと言い出し「ふしがある選手権」を二人ですることに。
セトはウツミに「お前はすぐそうやってめんどくさがる『ふしがある!』」と言い、ウツミはセトに「長いものに巻かれる『ふしがある』」と言い返す。
ウツミはセトを弱い者には威嚇し自分より強い者には体を細くするアフリカオオコノハズクのようだと言う。
二人で「ふしがある選手権」を続けてい行くけど、使い方に無理が出てきてやめる事に。
やめて背後を振り返ると鳴山が立っており二人はアフリカオオコノハズクのように体を細めた。
0話:内海想の思い
0話ではウツミとセトの出会いが描かれていてちょっとシリアス。
ウツミは塾に行くまでの間河川で一人で時間を潰していた。で、その時間部活をすればいいじゃないという人が結構たくさんいてその人たちのことを鬱陶しく思っていた。その中に樫村さんもいた。
セトはサッカー部に所属していたけど、フリーキックをするのは2年生の牧田というルールを無視したため部活をクビになってしまう。
そんな二人が出会い、なんだかんだ仲良くなっていく。
セトがウツミに対して余計な事を言わずにくだらないことを話しまくってたのが良かったのかも。
4話:先祖と子孫
夏休みで学校がないけど河川敷であって花火をしているセトとウツミ。
パラシュート花火をしたけど導火線が切れていたため、発射せず…。
夜だし、お盆だから自然と怖い話をし始める二人。
怖い話は終わると、遠くから人影が近づいてきて怖がる二人。
怖がっていると不発だった花火が発射しセトがパニック状態に。
二人に近づいてきた人物は3日前に家を出て行方不明になっていたセトのおじいちゃんだった。
5話:瀬戸小吉の憂鬱
セトの家族について少し語られる5話。
現実のこの家族は問題ありありで笑えないけど、この映画だからこそ軽い感じであんまし深刻な状態には思えなくなってくる。
オトンとオカンは離婚騒動中だし、祖母は入院中でその祖母を探すためにぼけてしまった祖父は街を徘徊して行方不明になっているという状況。
二人でくだらない話をしていると、セトの両親が登場。
俺はもうあかんねやと言って膝をつくオトンに、それをフォローするオカン。
それをみて良い夫婦やんとつぶやくウツミ。
ウツミの家もちょっとわけありな感じ…。
6話:出会いと別れ
ウツミはセトの誕生日のためサプライズでバルーンアートをしているバルーンさんに誕生日を祝うようお願いしていた。
計画通りお祝いするんだけどセトの表情が暗い。
話をきくと自分の誕生日に飼い猫のミーニャンが死んでしまったとのこと。
しかも、両親の離婚騒動があったためミーニャンに「おまえのせいやぞ。はやく死んでまえ!」とミーニャンに暴言を吐いた事を後悔して一層落ち込んでいたセト。
誕生日と飼い猫が死んだと言う事でウツミにミケ貝のスマホケースとガチャガチャ1200円分をプレゼントしてくれと言いしぶしぶ了承するウツミ。
そして、セトの目の前にミーニャンそっくりの猫が現れセトはミーニャンごめんと絶叫し、その姿を神妙な面持ちで見守るウツミとバルーンさん。
エピローグ:樫村一期の思い
樫村さんの視点。
樫村さんはウツミが好き。セトは樫村さんが好き。ウツミは樫村さんには興味がない…。
そんな3人のお話だった。
ウツミは友達のセトがすごく大事で、樫村さんはウツミに振り向いて欲しくて余計な事をウツミに言ってしまう。
高校生の恋愛ってあまずっぱい。
樫村さんとウツミが修羅場っているなか、ウツミを健気に待っているセトに萌えた。
ゆるい会話がめっちゃ良い。
特別な事は何にも起こらなくて、普通にありそうな男子高校生の会話が繰り広げられていくんだけどなぜかすごく面白く感じた。
派手な映画が好きな人には物足りないと言うかつまらなく感じるとは思うけど私はかなり好きな映画になった。