【マダム・フローレンス!夢見るふたり】史上類を見ない超絶音痴の歌姫
【作品情報】
題名:FLORENCE FOSTER JENKINS
ジャンル:ドラマ
監督:スティーヴン・フリアーズ
製作総指揮:キャメロン・マクラッケン/クリスティーン・ランガン/マルコム・リッチー
脚本:ニコラス・マーティン
音楽:アレクサンドル・デスプラ
製作国:イギリス
上映時間:111分
製作年度:2016年
【あらすじ】
ニューヨーク社交界のトップとして華やかな毎日を送る一方、ソプラノ歌手を目指して活動しているフローレンス・フォスター・ジェンキンス(メリル・ストリープ)。しかし、その歌唱力は音痴というしかないレベルであった。夫シンクレア(ヒュー・グラント)は、マスコミを買収したり、理解者だけを集めた小規模なリサイタルを開いたりと、病を抱えながらも夢を追う彼女を支えていた。そんな中、フローレンスがカーネギーホールで歌いたいと言い始め……。(シネマトゥデイより)
【感想】
わざと音痴に歌うメリル・ストリープがすごかった。
映画の最後に本物のフローレンス・フォスター・ジェンキンスの肉声を聞くことができたんだけど、メリル・ストリープの再現のクオリティが高くてびっくりした。
フローレンスは父親の遺産を相続して悠々自適の毎日。
音楽が好きで音楽業界に貢献したり、自分も舞台に立ったりしていた。
そんなフローレンスはソプラノ歌手としてコンサートをするために唄のレッスンをしていた。
歌のレッスンの為に雇われたピアニストのコズメ・マクムーンを雇い、フローレンスの夫シンクレアはフローレンスの希望を叶えるために奔走する。
最初シンクレアはフローレンスの遺産目当てなのかなと想像をしていたんだけど、見ていくうちにフローレンスのことをすごく大事に思っていたんだなとちゃんとわかった。
でも、妻が家賃を出している部屋で不倫相手と一緒に暮らしているのはどうかと思うけど。
ピアニストのコズメはレッスンのための伴奏者として雇われたんだけど、コンサートの伴奏をすることになったりどんどんジェンキンス夫妻と関わりを持つようになる。
フローレンスが音痴だからコンサートを開いたら伴奏している自分にまで影響が出ると最初は渋っていたけど、最終的にはフローレンスの良き理解者で相棒のような存在になっていくすごく良いヤツだった。
最初に小さいホールを借りて、フローレンスの理解者とシンクレアが買収した批評家たちを招いてコンサートを開いたんだけど、その後フローレンスが暴走してカーネギーホールを予約して歌うことになってしまう。
しかも、フローレンスは自分の歌声をレコードにして知り合いに配ってしまう。配ったことでラジオで流されレコードも知らない人の手に渡って笑いものに・・・。
フローレンスは帰還兵1000人を招待してカーネギーでコンサートを開いたけど最初音痴過ぎて帰還兵たちにバカにされてしまったけど、フローレンスの理解者たちが一喝してコンサートは大盛り上がりで終わる。
けど、批評家の一人が最低の歌姫と新聞に掲載してしまい、それを見たフローレンスは卒倒してしまう。
最初にコンサートをした時大爆笑していた人たちがカーネギーでフローレンスの擁護に回ってちゃんと歌を聴けと一喝したとき何かすごい感動した。
すごい下品な感じの若い女性だったんだけど、めちゃくちゃかっこよかった。
こき下ろされた新聞はシンクレアとコズメががんばってフローレンスの目に付かないよう対策していたんだけどフローレンスは新聞を見つけてしまい二人の努力が水の泡に・・・。
批評家にとっては耐えられないほどの音痴だったのかもしれないけど、もう少し融通利かせても良かったのになぁ・・・。
全体的に見ればお金持ちのおばあさんが金にモノを言わせた暴走物語なんだけど、それでも大勢の人に好かれていた彼女だからこそ音痴でもカーネギーホールでコンサートをすることができたんだなと思う。
シンクレアは彼女が傷つかないように、彼女がしたいことを思う存分させてあげるとても良い旦那だった。
一番好きなのがコズメ。雰囲気からして良い人って感じだったんだけど最後までフローレンスを支えてめちゃくちゃ良い人だった。